受け継がれる洋食の火加減 │ たいめいけん 茂出木浩司シェフ

受け継がれる洋食の火加減 │ たいめいけん 茂出木浩司シェフ

東京・日本橋に店を構える老舗洋食店、たいめいけん。
その三代目として厨房に立ち続けるのが、茂出木浩司シェフです。

“昔ながらの洋食”を守りながら、時代に合わせて進化を重ねてきた名店の味。その原点には、変わらず使い続けている調理道具の存在があります。



■ 最初に触れた鍋が、中尾アルミだった

「最初に料理を始めたとき、触ったときから中尾アルミさんの鍋だったんです。この鍋でないと、もう美味しい料理を作る気にならないですね。フライパンを含めて。」

厨房に立ったその日から、手にしていたのは中尾アルミ製作所の鍋とフライパン。
長年使い続ける中で、道具は単なる器具ではなく“味をつくる前提”になっていったと語ります。

「1931年創業以来、昔ながらの洋食を作り続けています。たいめいけんの味で育っているので、舌が覚えているというか、舌がレシピなんです。」

受け継がれてきた味。その記憶を、道具が支え続けています。




■ 思ったとおりに動くフライパン

「美味しい料理を作るためには、調理道具が一番大事。フライパンの厚みや角度、そのすべてが出来上がりに関わってきます。」

炒める、返す、あおる。
身体の動きと一体になる感覚が、仕上がりを左右します。

「ご飯をあおったとき、波のように戻ってくるんです。身体に帰ってくる感覚。他のフライパンではできない料理があります。出来上がりも全然違います。」

“思ったとおりに動く”ということ。
それはプロにとって、何よりも重要な性能です。

 


■ 絶品オムライスを支える熱伝導

たいめいけんの代名詞ともいえるオムライス。
その美しい卵の表面は、アルミならではの熱伝導が生み出しています。

「アルミは熱伝導がいいので、卵が本当にきれいに仕上がります。焦げつかず、焼き色もつかない。なめらかな色のまま巻けます。」

ケチャップライスもまた、火加減が命。

「一番大事なのは、ふわっとした食感。べっちょりさせないこと。アルミのフライパンは熱の入り方が違うので、焦げずにちょうどいい状態に仕上がります。」

均一に、素早く、やさしく熱を伝える。
その特性が、洋食の繊細な火入れを可能にしています。

 


■ 変わらず、作り続けてほしい

伝統を守りながらも、新しい挑戦を続ける茂出木シェフ。
それでも最後に語られたのは、変わらない願いでした。

「昔ながらのフライパンも、作り続けてほしいですね。変わらずに。」

料理人が信頼を寄せる道具。
その積み重ねが、長く愛される味を支えています。

受け継がれる味と、それを支える道具。
厨房の中で交わされる静かな信頼関係が、今日も一皿を完成させています。




■ 店舗情報

たいめいけん
東京都中央区日本橋室町1-8-6
TEL 03-3271-2465

三代目 茂出木浩司シェフは、伝統を継承しながら事業展開や商品プロデュース、メディア出演など幅広く活動されています。

日々の料理や営業の様子や、茂出木シェフご活躍は Instagramでもご覧いただけます。
▶ Instagram:たいめいけん
▶ Instagram:茂出木シェフ