鍋の使い方
■ まずはじめに
鍋には同じカタチでも色々な金属が使われています。それぞれの金属の特性を理解して、より料理に合った鍋を使いましょう。
■ 熱伝導率と重さ
熱伝導率とは、熱の伝わりやすさのことです。
鍋の性能として重要なことは熱の伝わりの良さですが、それぞれ熱伝導率が違います。また、鍋の重さも調理の操作性として重要です。
※熱の伝わりの良さは鍋選びに重要な事ですが、板厚の厚さも重要です。板厚が薄いと早く沸くので下ゆで、みそ汁等を作るのには向いています。煮込み料理等じっくり熱を加える料理には板厚の厚い鍋を選んだ方がムラが無く、コゲにくくなるのでより美味しく作れます。しっかりした鍋を選びましょう。
【材質ごとの使用方法】
■ アルミ製品の使い方
● はじめに
アルミは水や空気にふれると黒っぽく変色する性質があります。黒くなっても害はありません。これはアルミ自体が保護膜(黒ずみ)を腐食から守ろうとする性質を持っているからです。黒ずみは体に無害ですが下記使用前のお手入れにより黒くなることを防いでくれます。
● 使用前に
お米のとぎ汁(なるべく濃いとぎ汁)が野菜の葉切れ(たくさんの方が良い)を水と一緒に鍋に入れて煮立ててください。ひと煮立ちすれば結構です。
● 黒ずんでしまった場合&汚れがひどい場合
黒ずんだ部分(汚れのひどい部分)にクレンザーなどの研磨剤の入った洗剤を適量つけ、水を少量つけてナイロンスポンジの固い面かスチールタワシなどで磨いてください。あまり固いタワシを使うと傷になりますので、なるべく目の細かいタワシをご使用ください。黒ずみが落ちましたら『ご使用前に』をもう一度行ってからご使用ください。
● 使用後は
洗剤でよく洗いしっかり乾燥させてから保管してください。
※アルミは酸やアルカリ性のものに弱いので、極力ご使用は避けてください。
※食材を入れたまま1日以上保管しないで下さい。腐食の原因になります。
■ アルマイト加工製品(アルミ)の使い方
● はじめに
アルマイトとはアルミの表面を保護する為に電気と薬品により保護皮膜をかけたものです。
● 使用前に
洗剤でよく洗ってからご使用ください
● 汚れがひどい場合
アルマイト製品は保護皮膜がかけてありますので、研磨剤の入った洗剤やスチールタワシなどを使うと傷になってしまいます。汚れがひどい場合は、お湯を煮立てて汚れをふやかしてから、スポンジ等で洗ってください。(バットなどの浅いものはお湯の中にしばらくつけてから洗ってください。)
● 使用後は
洗剤でよく洗いしっかり乾燥させてから保管してください。
■ ステンレス製品使い方
● はじめに
ステンレス製品はアルミ製品に比べ腐食しにくく表面が固いので、汚れがつきにくく、また汚れても比較的落としやすいのが特徴です。
● 使用前に
洗剤で良く洗ってからご使用ください。
● 汚れがひどい場合
ステンレスは表面が固いので、研磨剤の入った洗剤やスチールタワシなどを使うと傷になってしまいます。汚れがひどい場合は、お湯を煮立てて汚れをふやかしてから洗ってください。
● 使用後は
洗剤で良く洗い乾燥させてから保管してください。
■ フッ素樹脂加工製品の使い方
● はじめに
フッ素樹脂加工は高温に弱く(フッ素樹脂の耐熱温度260℃ ガスの場合:30秒弱 IHの場合:10秒弱の加熱で260℃付近到達。通常調理は180℃程度)
加熱しすぎると傷み、こびりつきやすくなり、また鍋の表面に塗装したものなので金属ヘラや鋭利なものを使うと傷がついたり、剥がれてしまいますので、耐熱樹脂や木製の調理器具をお使いください。
● フッ素樹脂加工製品を長くお使い頂くために
フッ素樹脂加工は鍋表面にフッ素樹脂加工をしたもので、熱や摩耗により劣化し徐々にこびりつきやすくなってきます。フッ素樹脂加工を長くお使い頂くために下記の点に気をつけてお使いください。
■ 必要以上に空焚き(予熱)しないでください。中火以下で目安10秒程度、あるいは鍋を火にかける前に(鍋が冷たいうちに)油やバターを引いてください。高温によるフッ素樹脂の劣化を保護するためです。
■ 炒めものなど鍋を良く温めてから調理したい場合は、鍋の半分くらいまでお湯をはり、沸騰したらお湯を空け調理をして下さい。お湯でフッ素樹脂の表面の温度が上がりすぎないようにするためです。
■ 1週間に1~2回程度、湯沸かししてください。10分程度で表面で固まった油や食材のこびりついた汚れを浮かします。もとのなめらかさがよみがえります。
● 使用後は
洗剤で良く洗いしっかり乾燥させてから保管してください。
■ 鉄製品の使い方
● はじめに
鉄鍋(フライパン、中華鍋、北京鍋)は、サビ止めが塗ってありますので、空焼きしてサビ止めを焼いて油ならしをしてから使いはじめます。
■ 手順1 サビ止めを焼いてとばす
1. 洗わないでそのまま鍋を強火にかけます。鍋全体がグレー色に変色するまで、まんべんなく火にあててください。鍋全体がグレー色に変色したら火を止めて冷まします。
煙がでますので必ず換気をしてください。
※サビ止めが残ることもありますが、体には害はありませんので安心してお使いください※
2. 鍋が冷めたら台所用洗剤でよく洗ってください。
■ 手順2 油ならし
3. 水分を良くふき取り食用油を鍋の1/3程度入れて10分くらい弱火にかけてください。油を冷まして空けると使用前準備(油ならし)は完了です。
4. ご使用になる時は予熱で鍋を温めてから油を引いてお使いください。
● ご使用後は
油は冷えると固まって汚れが落ちにくくなります。温かいうちに洗剤を使わずにお湯でタワシやササラを使って洗ってください。
※洗剤を使ってしまうとせっかくならした油が落ちてしまい、食材がこびりつき易くなったり、サビの原因になります。水気をよく取り(火にかけ空焼きして水分を蒸発させて下さい。)保管してください。
※キッチンペーパーなどで軽く油を塗っておくとサビ止めになります。
● もしサビてしまったら
研磨剤の入ったクレンザー等でサビを落としてから手順2(油ならし)を行ってご使用ください。