■ お店とシェフのご紹介
フランス料理界を代表する料理人の一人、上柿元勝シェフ。
その原点は、思いがけない瞬間の出会いでした。
「大阪の環状線でふと後ろを振り向いたら、辻学園のフランス留学日本調理師学校があって。白い服を着たシェフがかっこよかったんですね。」
その光景を見た瞬間、心の中で決意が生まれました。
「これや。俺は料理人になろうって。」
フランスへ行けるかもしれない——
そんな思いから料理の世界に入り、やがて本場フランスへ渡ります。
その後、「ル・デュック」「アラン・シャペル」「ピック」など名だたるレストランで修業を重ね、フランス料理の精神を深く学んでいきました。

■ 自然と食材への敬意
上柿元シェフの料理の根底にあるのは、自然への感謝です。
「農業をしている方、水産業をしている方。自然と戦っている方たちが、私たちに食材を届けてくれます。」
料理人が扱う食材は、すべて自然の命。
だからこそ、料理には向き合う姿勢があると語ります。
「自然界の命をいただいているわけですから、失礼のないように料理をする。」
素材に対する敬意。
その思いこそが、料理人として最も大切にしている哲学です。

■ 中尾アルミ製作所との出会い
中尾アルミ製作所の道具との出会いは、今から約40年近く前。
きっかけを作ったのは、フランス料理界の重鎮として知られる人物でした。
「ホテルオークラの“小野ムッシュ”ですね。小野正吉さんです。」
ある日、小野シェフからこう言われたといいます。
「ここの鍋はなかなかの物だ。フランスの鍋もあるだろうけど、試してみなさい。」
その言葉をきっかけに、ホテルオークラで名刺交換をしたのが最初の出会いでした。
「もう37〜38年前になりますね。」
それ以来、厨房の中で使われ続けている中尾アルミの鍋。
料理人の手の中で、料理を支え続けています。


■ フランス料理を次の世代へ
長年フランス料理と向き合ってきた上柿元シェフ。
これからの夢について、こう語ります。
「フランス料理の土台となるエスプリを、たくさん学ばせてもらいました。」
その経験を、次の世代へ伝えていくこと。
「自分のものだけではなく、次の世代に残していきたい。」
上柿元シェフが執筆したソースの専門書は、現在香港や韓国、台湾でも翻訳されています。
そして、もう一つの夢。
「本国フランスで、このソースの本が翻訳されること。」
フランス料理を学び、フランス料理を愛し続けてきた料理人の願いです。
料理の精神と技術、そして道具。
そのすべてが、次の世代へと静かに受け継がれていきます。

■ プロフィール
Le Dome ル・ドーム 名誉顧問 料理人
上柿元 勝 シェフ
辻学園調理師学校及び日仏学院卒業後、大阪の洋食店「野田屋」で西洋料理の基礎を学ぶ。1974年に単身渡仏し、「ル・デュック」「アラン・シャペル」「ピック」で修業。
1981年より神戸ポートピアホテルのレストラン「アラン・シャペル」のシェフを務める。
1992年にはハウステンボスホテルズ総料理長およびホテルヨーロッパ総支配人に就任。2008年には長崎市に「パティスリー カミーユ」をオープン。
帰国後もフランスの「トロワグロ」「ジャマン」「ピラミッド」「ジル」、ニューヨークの「パーセ」「ダニエル」などで研修を重ね、フランス料理界の発展に尽力しています。

■ 受章歴
・黄綬褒章
・フランス農事功労章オフィシエ
・現代の名工
・鹿児島県薩摩大使

