■ お店とシェフのご紹介
東京會舘「レストラン プルニエ」
松本浩之シェフに聞く
― 料理人が信頼する道具とは
東京・丸の内の老舗、東京會舘。
そのメインダイニングである「レストラン プルニエ」で調理長を務める松本浩之シェフ。
フランス各地で研鑽を積み、日本のフランス料理界でも長く活躍されてきた料理人です。
そんな松本シェフに、日々の料理を支える道具についてお話を伺いました。

■ 料理人として、道具を見直した時期
松本シェフが改めて道具を見直したのは、日本へ帰国し料理長として厨房に立った頃でした。
料理人として30歳で日本に戻り、料理長として厨房に立つことになった松本シェフ。
その時にまず取り組んだのが、厨房の道具を一つひとつ見直すことだったといいます。
「昔から日本人は“物には魂が宿る”と言いますよね。
だから包丁一つから、もう一度吟味して、すべてを再構築する時期がありました。」
身の回りに置くものは、長く使い続けられるものだけ。
「ボールペンならモンブラン。
鍋なら中尾の鍋。
そういうふうに、今は愛着を持って長く使えるものだけで身の回りを固めています。」

■ なぜ中尾アルミの鍋を選んだのか
料理という仕事には、料理人の人柄や経験が必ず表れると松本シェフは語ります。
「料理は必ず、その人の性格や履歴が出てきます。」
それは道具にも同じことが言えるのだそうです。
「中尾の鍋も、作った方や社長さんの顔が見えるような道具なんです。」
長年フランス料理界を支えてきたメーカーとして、料理人との関係を大切にしてきた姿勢。
それも松本シェフが信頼を寄せる理由の一つでした。
「料理書が出れば本を買ってくれたり、フェアがあれば顔を出してくれたり。
フランス料理業界のために本当に尽力してくださっています。」
だからこそ、道具を選ぶ理由は単なる製品の性能だけではないと言います。
「東京會舘と中尾という会社ではなく、
“中尾さんと松本”という信頼関係で、この鍋を使わせていただいています。」
■ 家庭で中尾の鍋を使うなら
プロの厨房だけでなく、家庭でも鍋の使い方には大切なポイントがあると松本シェフは語ります。
「できるだけ鍋肌の厚いものを選ぶことですね。」
そしてもう一つ重要なのが火加減。
「家庭では“強火か弱火か”の二択になってしまうことが多いですが、
火をよく見て、火と対話するように料理していただければ、失敗は少なくなると思います。」
料理は火と向き合うこと。
それはプロでも家庭でも変わらない基本なのかもしれません。
■ 松本シェフおすすめの鍋
松本シェフが特に愛用しているのは、
キングデンジシリーズです。
「取手のザラっとした質感のキングデンジですね。」
特にソース作りでは、その特性が活きると言います。
「ソースを作るときに“金気(かなけ)”が出ないので、とても使いやすいんです。」
フランス料理において欠かせないソース作り。
その繊細な工程を支える道具として信頼されている鍋です。

■ 料理人としてのこれから
フランスでの修業を経て、日本の名店で料理長を歴任してきた松本シェフ。
現在の目標についてこう語ります。
「レストランとしては、10卓と個室2つを
東京中、日本中の人が取り合うような、いつも満席のレストランにしたいですね。」
そしてもう一つの目標は、後進の育成です。
「これからはとにかく人を育てたい。
後輩や若い料理人を育てて、プルニエと東京會舘を次の世代へつないでいきたいと思っています。」

■ プロフィール
東京會舘 レストランプルニエ 調理長
松本浩之 シェフ
大阪辻調理師学校卒業後、銀座「レザンジュ」を皮切りに小田原「ステラマリス」を経て26歳で渡仏。
パリをはじめアルザス、コルシカ島などフランス各地で研鑽を積む。
ブルゴーニュ三つ星「ラ・コート・ドール」、シャモニーの二つ星「アルベール・プルミエ」などで経験を重ね、2001年に帰国。
銀座「レザンジュ」総料理長、「ベージュ東京」副料理長などを歴任し、2019年より東京會舘「レストラン プルニエ」調理長に就任。
2022年発行の「ミシュランガイド東京2023」にて一つ星を獲得。

■ 店舗情報
東京會舘
レストラン プルニエ
〒100-0005
東京都千代田区丸の内3-2-1 2F
050-3134-4890(予約センター)
https://www.kaikan.co.jp/index.html

